ほっとスペース
精神障害ってご存知ですか?(抜粋)
朝霞市精神障害者の社会参加を考える会
会長 渡邉クリニック朝霞院長 渡邉諄二
私たちは学校や会社、家庭の中で自分を見失ったり、いつも何かに追われているような、
そんな気持ちになることがあります。高度情報化や都市化に象徴される近年の社会環境の急激な変化は、
私たちの人類の歴史の中でもたぐい稀なほどのスピードで進んでいます。
私たちのココロやカラダもその変化についていくのがやっとの状態で、慢性的なストレス状態で常に疲労感があったり、
登校拒否や引きこもり・抑うつ状態等の不適応を起こすといったことをよく耳にするようになりました。
こんなにも急激に変化する社会の中で、心が疲れてしまったり、心の病になったりすることは、むしろあたりまえのことではないでしょうか。
そして、心の病と闘いながら社会復帰や自立を目指して努力しても、精神障害者に対する社会資源や制度はまだまだ不十分な状態で、さらに、
一面的にしか実態を捉えていないマスコミ報道等によるいわれのない偏見と差別といった厚い壁に阻まれ、入退院を余儀なく繰り返している精神障害者も、
この朝霞市にはたくさんいます。
しかし現在、私たちの暮らすこの朝霞市には、心の病をもたれている精神障害者が安心して憩える場、社会復帰や自立のために足慣らしの場
としての施設が1ヶ所もありません。平成5年に、「心身障害者対策基本法」が「障害者基本法」に改められ、精神障害者が身体障害者や知的障害者と同じように
法律の中に明記され、初めて障害者として認められました。
平成7年には「精神保健法」が「精神保健福祉法」に改正され、福祉施策の取り組みの中に盛り込まれました。しかし精神障害者に対する施策や制度は、
ほとんど進んでいきません。
一昨年(平成8年)、朝霞市には精神障害者とともに歩む会(家族会)「ほっとスペース」が発足いたしました。
また、今年(平成10年)精神保健ボランティアグループ「みちくさ」が発足し、今まで点でしかなかった支えが線になりつつあります。
自分自身や家族が、病気や怪我で障害をもつようになっても、安心して暮らしていける社会、そんな社会こそが本当の意味で
暮らしやすい社会なのではないでしょうか。私たちの暮らす朝霞市が、そうした誰でもが安心して暮らせる町となるよう、「共に生きるまちづくり」をスローガンに、
活動を進めていきたいと思っています。
ほっとスペースへのおさそい
朝霞市・精神障害者の家族の集い「ほっとスペース」ができました。心の病に苦しむご家族のことで悩んでいらっしゃる方、「ほっとスペース」で
ご一緒に勉強したり、日ごろの悩みを出し合ったりしませんか?
一人で考え解決しようとするより、家庭から一歩外に出て思いを分け合いましょう
「ここへ来るとほっ!とする」会にしたいと考えています。
例会/毎月第3月曜日 午後1時30分より
会場/朝霞市保健センター
詳しいお問い合わせ先は、朝霞同友会まで連絡くださればご案内します。
「ほっとスペース」様より伊藤会長あてに贈られてきた手紙より
伊藤会長様
先日は、私どもの会に、ご理解を賜り素晴らしいプレゼントを頂きまして、
一同感謝いたしております。「つばさ工房」も何もないところからのスタートで
、いろいろ悩みも多いところですが、皆様のような応援してくださる方々に
支えられ一歩筒進んでまいります。一人でも多くの方に、「心の病」を理解していただき
、精神障害者の存在を知っていただいて、障害をもちながらも「社会の人」として生きていけるように、
願っております。
1999年7月 「ほっとスペース」