60色セットの色鉛筆は見た目もゴージャスでカラフル。60色もあれば世に存在する全ての色が網羅され忠実に再現することができると思っている人も少なくない。小学校低学年や幼稚園の児童の多くはだいたいそのように思っているし大人でも漠然とそんなふうに思っていたりもする。
しかし実際には太陽光の中の40nm〜70nmの波長の電磁波が物体に反射する特定の領域の波長が個々の色となって目に映ってくるわけで、その範囲はリニアに連なっているために色の数は無限ということになる。
この40nm〜70nmの範囲の波長は可視光線と呼ばれ、基本的に人間の目で認識できれる色の範囲である。そして70nm〜100nmの波長が赤外線、10nm〜40nmが紫外線であり、いずれも人間の目には見えない。しかし色々な動物実験によって生物の種類によってはこの赤外線や紫外線を視覚的に感知しているということも最近になって分かってきた。
赤外線や紫外線を視覚的に感知できるいうことは「見える」ということになる。いったいどんな色をしているのだろうか?残念ながら見えない限りは、先天的に全盲の人が「見える」ということをイメージできないのと同様、その色を説明することはできない。
ただし人間にもこの可視光線の範囲には個体差があり、人によって可視光線の範囲が多少は異なる。中には赤外線を見ることができる人も存在し、そのような人は赤外線コタツが赤っぽく見えるそうだ。
紫外線が見える人には泳げない人が多い。夏場の海やプールでは降り注ぐ紫外線で眩しくて目を開いていられないそうだ。もっとも最近では室内プールが普及しているためにこのような問題は少なくなった。
色というのは物体そのものに最初から存在しているものではなく、可視光線のどの範囲の波長を反射するかによって人間の目に見えるものである。従ってこの世に存在する全ての物体には色はついていないということになる。60色の色鉛筆も実態は60段階のモノトーンでしかありえない。
ではなぜ物体によってその反射する可視光線の範囲が異なるかというと、それは厳密に言えばその物体を形成する表面の分子構造にある。分子の構造と形状によって特定の波長を反射し、それ以外の波長は吸収するということになる。白は全ての可視光線域の波長を反射し、黒は全て吸収するということだ。従って黒い物体の中には既に吸収されたあらゆる色が詰まっているということになる。
この黒い物体を粉砕することで中に詰まっていた全ての色の光が外に放出されるのだが、それはもちろん光の速さで放出されるわけで、人間の目ではその瞬間を見ることはできない。
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